巾着田の曼珠沙華

15年近く前に行ったきりの巾着田。昨日、突然天皇陛下夫妻がプライベート旅行で訪れられたとのこと。このニュースを聞いてこの時期「ああ曼珠沙華の季節なのだ」と気がつきました。昔の巾着田を知っている私は、春は桜、一輪草、秋はそれこそ曼珠沙華と結構数年ごとに訪れていましたが、昨今の観光地化に少し嫌気があって足が遠のいていました。ご夫妻は巾着田から高麗神社に向かわれたそうで、はるか昔高麗人がこの日高の地に土着した歴史を思うと、さもありなんと頷けます。

さて朝9時過ぎに現地に着いてみたら、入園口から車が数珠つなぎになっていてしばらくは進まない始末。一部私有地で臨時駐車場として呼び込みをしていたので、ままよと500円払って時間短縮。私が停めた駐車場は下流側の「あいあい橋」の近くなのですぐに中に入れました。入場料300円。そう云えば入場料も、駐車料も、あいあい橋も昔はなかったなぁ。

500万本の曼珠沙華群生地の遊歩道にはすでに人があふれるほどです。下流側は花が丁度満開で、まるで林床が赤い絨毯で敷き詰められたよう。今日はこの群生をしっかり撮るつもりでしたので最初はしめたと思ったのですが、俯瞰的なアングルは全然ダメで、どこかに人が入ってきてしまいます。そうなるとクローズアップ的に。目線を花の下から、あるいは横からやって花そのもののカタチ、色、周りとの調和に意を注ぎました。

曼珠沙華の花のイメージにはどんなものをお持ちですか。別名彼岸花、昔からの堕胎の薬だったりその謂われ故あまり好きでない方がいらっしゃるでしょう。しかし真っ赤に大きく広がり、すっきり伸びた茎上の花はその一株だけでも凜としていますし、また群生も絢爛でなかなかフォトジェニックです。特にその色と姿は実にリアルで妖艶、情念などの言葉が思い浮かびます。ところどころに純白の花が数株ずつ咲いていましたが、これは赤に囲まれてそこだけに天界の花があるようでした。

何か終始ざわついた撮影行でした。夕方の傾いた光の中での花はもっと色を濃くするような気がしましたが、疲れてしまって3時半頃には帰途につきました。私が出るときはまだ入場してくる車がつながっていました。

※巾着田とは、高麗川が蛇行した形が「巾着」に似ていることから。すぐ近くの日和田山に登ればその形が見えます。曼珠沙華は高麗川が増水したとき流れ着いた球根が漂着し根付いたものだそうです。そう云えば高麗川右岸は崖で、左に廻って流れていく左岸側の平地に花は群れ広がっています。

燃えるように咲いている
赤い絨毯を敷きつめたよう
緑とのコントラスト
凜と咲く
天界の花のよう
妖艶
崖の隙間の光
高麗川にかかるあいあい橋
あいあい橋から俯瞰する