6月の声を聞いて紫陽花が待ち遠しかったので、少し早いかなと思いつつ越生にある龍穏寺へ向かいました。今年はシャガの花が咲くころすでに訪れているので2回目です。さびれた越生の街中を走っている途中、ニュースが梅雨入りを伝えていました。
到着してすぐに山門へ。いつも変わらず神秘的で、幽玄な雰囲気です。曇り空なので境内の森は少し暗くフラットな光に包まれています。その分、光が回り込むので花を撮るにはいい塩梅です。
ところが花はほとんど見当たりません。山門をくぐると本堂への石段があるのですが、その上を見渡しても花の気配はありません。やはり早かったか。なので、いつもはまっすぐに登る石段ですが、今日はコースを変えて西脇にある龍ヶ谷熊野神社へ。こじんまりとした社殿が緑に囲まれ、狛犬が参道にちょこんと鎮座しています。拝殿、奥殿には四方の壁に見事な彫刻があります。裏へまわると一段高いところに経蔵が見え、この彫刻とのいいアングルが見つかりました。
さて、花は?・・・あったんです。経堂から本堂前の池へ続く径路はこの4月には八重桜、シャガ、山吹が両脇に咲いていて、さながら花の小道でした。今は蕾の紫陽花が出番を待っています。それでも白いガクアジサイ、それと白い花穂が縦に並ぶやはり白いアジサイ(?)がやっと咲きはじめていました。
花が少なかったので4月の花も載せます。経蔵の白壁と赤い囲いのコントラストが映え、したたる緑には太田道灌像が染まっていました。
なお龍穏寺、この名前は、寺の前を流れる龍ヶ谷川に住む荒ぶる龍を高僧が法力で穏やかにしたという伝説からきているそうです。また戦国前期には江戸城、河越城をつくった太田道真、道灌親子が中興開基しており、本堂脇の山腹にはお墓があります。江戸初期には家康によって関三刹(かんさんさつ)に任命されており、曹洞宗4,000寺の総統でした。歴史あり、そして荘厳な古刹です。